「新しい生活様式」で予測される顧客の購買行動の変化と対応策

去る5月4日、厚生労働省は新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました。その内容は、人との接触を最低限に抑え、感染拡大を防止することを目的とした方向性で、かなり具体的な行動が提示されたものとなっています。そして、中には小売業にダイレクトに影響を与える項目も多々存在します。

もちろん、これらはあくまで提言であり、強制力はないとは言え、かつてない世界規模の感染拡大という事象を「自分ごと」として経験した今、人々の意識と行動が1年前とはまるで変わってきているのも事実です。

本稿では、コロナ禍を通じて消費者の行動がこの先どのように変化し得るかの予測と、小売業はその変化にどう対応するべきかについて考察していきます。

「新しい生活様式」で変容する購買行動

小売業にとって、消費者の購買行動が変わることの影響は小さくありません。いや、むしろ非常に大きな影響を受けると捉えておくべきでしょう。なぜなら消費者の行動変化は、欲しいと思う商品の種類や価格から、入店する店舗、購入するチャネルまで、経営方針に関わる全てに及んでくる可能性があるからです。

その時に、企業は何をどのように備えるべきなのでしょうか。当然、その傾向がハッキリと目に見えてから対策するのでは遅すぎます。そこで、以下に、消費者の購買行動がどのように変化するのかを、いくつかの視点から予測してみたいと思います。

なお、この予測は、多くの消費者が厚労省発表の「新しい生活様式」で提唱された具体的な行動を実行に移す、という前提に基づくこととします。

ソーシャルディスタンス、衛生への意識

この数ヶ月で、多くの消費者の感染防止対策についてのリテラシーは飛躍的に高まっています。仮にCOVID-19が収束したとしても、また新たなウイルスが、いつ発生、蔓延するかはわからないため、衛生環境に対する意識も継続的に持ち続けることになるでしょう。

そして、適切な衛生環境の提供という項目は、今後確実に消費者が小売業に求めることの一つにリストされます。

サニタイザーが常備されていることはもちろん、スタッフのマスク装着など、規模の大きなチェーン店などにとってはこれまで必要なかったコストを毎月計上する必要が出てくるでしょう。

今後、混雑する店舗は敬遠される可能性もありますから、適切なソーシャルディスタンスが保てる店内の動線確保も検討する必要があります。場合によっては坪数に対する適切な展示商品数を見直す必要があるかもしれません。

クリック&コレクトの需要高騰

以前から、クリック&コレクト(あるいはBOPISとも)の需要はありましたが、アフターコロナ時代には、感染防止の観点からも、それがさらに高まることになるでしょう。特に、店内が狭かったり、スーパーマーケットなど日常的に混雑しがちな店舗(すなわちそれだけ購買の需要はある)においては必須項目と言っても過言ではありません。

海外と比較すると、日本ではこのクリックアンドコレクトがあまり普及していませんが、コロナショックをキッカケに今後一気に浸透、普及していくのではないでしょうか。

日用品?食品の購入はECへ移行

コロナ禍の最中では、望むと望まざるとに拘らず、多くの消費者が生活必需品を購入するためにECを利用する必要がありました。

インターネットマーケティング調査?コンサルティングサービス企業のヴァリューズによれば、新型コロナウイルス の影響拡大後、インターネットで購入?契約をしたものでは「日用品」が11.6%でトップとなり、続いて「食べ物の出前や宅配、持ち帰り」(8.3%)、「食材」(6.3%)となっています。

そして、同じくヴァリューズによる「影響収束後もネットで契約?購入を続ける見込みのもの」という調査に対しても、「日用品」は7.2%と圧倒的なトップ項目となっており、続く順位も上記と同様に「食べ物の出前や宅配、持ち帰り」(4.6%)、「食材」(3.9%)となっています。

つまり、それらを扱う小売業者であればオンラインチャネルの整備はマスト項目、ということです。可及的速やかにチャネルを整備する必要があるでしょう。

実店舗の利用は「そこでしか体験できない」ことへ傾倒していく

全体的にECの利用意向が高まったとしても、実店舗の存在はなお重要であり続けます。コロナ禍中の自粛によって、外出することや対面のコミュニケーションに飢えている消費者も多いと予想されます。

その際に留意すべきなのが、実店舗に「そこでしか体験できない」価値が備わっているか否かということです。そこでしか買えない商品がある、そこにしかない利便性がある、実際に購入しなくても、店内を覗くだけで楽しいなど、「価値」のつけ方には様々な方法があります。

そして重要なのは、これからの時代の実店舗の価値は、チャネルとしてECが存在によって強力に補完される、という点です。

アフターコロナ時代の消費者は、より一層オンラインチャネルでの購買行動に意識が移っています。「ECでいつでも買える」ということが大前提となった上で、それを乗り越えてでも行く理由になることこそが、実店舗における価値になり得るのです。

したがって、これまで店舗からは敬遠される傾向にあったとも言えるショールーミングに対しては、むしろウェルカムな姿勢が必要です。実際、今後はそれが実店舗が提供すべき重要な価値の一つになっていくでしょう。

AIが顧客行動を分析する

ここまでに挙げてきた消費者の購買行動の変化の予測は、あくまで“一般的な傾向”に基づいたものです。より自社の顧客行動を深く理解し、顧客といい関係を継続的に築いていくためには、独自に顧客の購買行動データを取得し、それを分析することが必要不可欠です。

顧客の行動分析は、コロナ禍以前から普遍的にその重要性が説かれていますが、その分析方法自体も、時代に即した形でアップデートするべきでしょう。

例えば、今後の時代では、これまではオフラインな場所と見なされ、そのために収集が難しいとされてきた実店舗における行動データの分析がより大切になってきます。

その代表的な形が、店舗内に設置したカメラやセンサーデバイスとAIを活用した行動分析です。近年小売業界で話題になっているRaaSの「b8ta」や、似たような形態で渋谷パルコに出店したクラウドファンディングプラットフォームCAMPFIREの実店舗「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」などで行われているのが、この行動分析です。

これらの購買行動分析は、顧客との関係性を向上させるだけでなく、活用の仕方次第では、それ自体がアフターコロナ時代における消費者の行動変化に対応する施策にもなり得ます。

店舗の混雑を予測するAI

例えば、伊勢の老舗料亭「ゑびや」が、もう一つの事業として展開している「EBILAB」では、新型コロナウイルス明けの“三密対策”として「混雑予想AI」をローンチしています。これは、インターネットを通じてリアルタイムおよび1時間ごとの混雑状況を消費者に提示するもので、消費者に三密を避けてもらうことで、同時にピークタイムの混雑を分散させて、これまでアイドルタイムとなっていた時間帯の売上を向上させる効果も見込めるAIとなっています。

EBILABでは、これ以外にも来客予測AIや店舗分析BIを中心にサービスを展開しており、仕入れの最適化やフードロスの最小化に活用することができます。

変化する顧客の行動を予測する時代へ

上記項目で挙げたように、小売業にとって、多様に変化していく顧客の行動を正確に捉えるためには、もはやAIの活用が欠かせない時代が到来している、と言っても過言ではありません。

顧客の行動を把握し、精度の高い予測が実現できれば、それぞれの顧客の志向や状況に応じて最適化された情報を届けることさえも可能となります。いわゆるパーソナライゼーションです。

特に、人力で全ての顧客に目配せできない規模の企業にとっては、顧客対応をいかにパーソナライズできるかが今後の成長に大きく関わってくる課題であると言えます。

顧客対応のみならず、ここ数年はZOZOや資生堂などがAIを駆使して商品そのものをパーソナライズする取り組みを行なっていますが、この流れは今後も加速していくでしょう。

これらのパーソナライゼーションの精度が高まれば、店頭、EC、商品など様々なタッチポイントで強いエンゲージメントを生み出すことができ、もっと商品やサービスを使ってもらえるようになり、さらに多くの顧客データを集めることができます。そして、データは多ければ多いほど、分析精度も高まり、各タッチポイントにおけるさらに良い顧客体験に還元していく——このループを生み出せる企業こそが、これからの時代に成長できる企業である、と言えるでしょう。

さいごに

上述した、いわば「正のループ」はあくまで理想形であり、そこに辿り着くためのコストと時間は膨大なものになります。また、これまでの過程で、どれだけそのような小売業の見据え、それに備えてきたかによってもスタート地点は変わります。

したがって、パーソナライゼーションの実現が未来の小売業の理想形だからといって、今、AIを使うこと自体を目的としてしまうと上手くはいかないでしょう。

本質は、自社のお客様が何を求めているのか、どうしたら喜んでくれるのかを、お客様の視点から(あるいは現時点ではお客様自身もまだ気が付いていない視点から)徹底的に突き詰めることです。

そのように磨き上げられた「事業の在り方」を実現させるためにテクノロジーを活用し、お客様が期待する以上の体験を提供することが、デジタルトランスフォーメーション(DX)なのです。

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